■ダクトとは
ダクトとは、空気を運ぶための管のことを指します。主にビルや一般家屋などの建物内に、空調や換気、排煙のために設備されます。送風機による圧力で管の中に空気が流れるもので、空調機械から室内へ空気を通す道として配管されるダクトが一般的です。ダクトを配管する工事は、管工事業のひとつに数えられます。
一般的な「配管」は空気だけでなく水やガスなど、様々な流体を通すことを目的としています。一方で、「ダクト」は気体を通すことを目的としていますが、実際にはエアコン使用時に発生する水分も通ることがあります。また、ダクトは水道などの配管に比べて簡易的な工事が行われる点も大きな特長です。 角ダクトの部材組み立てには「ボタンパンチはぜ」を使用するのが一般的です。ダクト同士を繋ぐ際にはフランジ加工をしたり、テープやコーキングを使用したりすることもあります。その分コストが配管よりも安くなるため、目的や用途に合わせてダクト・配管を使い分けるのが一般的です。
ダクトには、用途や設置する施設の大きさ・場所によって様々な種類があります。たとえ
ば比較的大きいダクトに用いられる四角い形状の「角ダクト」や、幅広く使用される丸い
形状の「丸ダクト」「スパイラルダクト」が挙げられるでしょう。また使用される材質は
4種類あり、サイズや工法、用途によって板厚が決められます。
■ダクト工事にはどんな種類があるの?
・SA、RA(空調)
SA、RAの正式名称は、Supply Air(空気を供給すること)、Return Air(吸い込み口よりダクトを通り返ってくる空気のこと)です。
冷風あるいは温風が流れるもの(給気SA)や、部屋より空調機への還り(還気RA)に使
われるもの。給気の場合は保温断熱されることが多い。精密部品の工場や食品関係のクリ
ーンルームや、病院の手術室などの清浄度維持にも空気の入れ替えが必須であるので、一
定の給排気が必要です。
・EA(排気)
EAの正式名称は、Exhaust Airです。 空調機を通して屋外へ空気を吐き出す排気ダクトを指します。
排気ダクトは一般家庭などで使用される排気(EA)と飲食店などの厨房排気の二つに分けられます。断熱されることは稀である。有機溶剤の局所排気、臭気や必要のない高温低温の空気を排出することもあります。実験設備や放射線設備の排気は、フィルターで処理してから排気される。また、厨房排気は延焼防止と油分のダクト内部への付着防止のため油分分離装置(グリスフィルターなど)を取り付けることが多いです。
蒸気の分離が必要な場合もあります。
・OA(外気)
OAの正式名称はOutdoor Air、もしくはOutside Airです。 屋外から外気を空調機に取り込む外気取り入れダクトを指します。
建物の外部より取り入れるもの。各部屋へ直接引き込んだり、空調機で混合してSOAとし
て送られる。昆虫や鳥が入り込まないように、目的に応じたメッシュの金網が必要です。排気(EA)に見合った量を取り入れないとドアが開けづらいなどの状態となります。